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記憶した情報は、どのようなルートで脳の中を移動していくのでしょうか?
記憶する情報は、まず、海馬と呼ばれる一時的な記憶の保管場所に約1ヶ月間貯蔵されます。
ここで、情報がふるいにかけられ、必要と判断された情報が記憶の長期的な貯蔵庫である側頭葉に送りだされるようです。
つまり、覚えたい情報を長期間保持するためには、海馬に情報が保管されている1ヶ月の間に、海馬が重要な情報だと認識すればいいのです。
記憶に関連する脳の特性は、以下の通りです:
●脳の可塑性
●脳の汎化
●脳の活性化
これらを実用的に使いこなす方法を「記憶法」で整理しています。
最近の科学の進歩により、脳はいくつかの部屋に分かれていて、それぞれには働きがあることが分かってきました。
脳を近視的にみれば、神経細胞のネットワークが張りめぐらされています。
そして、脳を活性化させるとは、そのネットワークに活発に電気を流そうとすること。
そのような流れを繰り返すことによって、神経線維が太くなったり、数が増えたりします。
また、シナプスの数が増えて、情報が流れやすくなります。
つまり、スムーズに情報が伝わることで、神経回路のスピードも容量も拡大します。
その結果、迷路テスト、単語記憶テストでは、25%前後も改善されたという報告までも。
このように、頭をよくするためには、神経細胞のネットワークで多くの情報が流れるようにすればいいことが分かります。
では、頭をよくするために、どのように脳を変化させればいいのでしょうか。
大きく4つあげられます。
- 海馬の神経細胞を増やす。
- シナプスを増やす。
- 神経細胞間の情報交換の仲介役となり、神経伝達物質(ドーパミン・ノルアドレナリン等)を出す。
- 神経線維を増やす。
具体的に、何をすればいいのかというと、
1. 海馬の神経細胞を増やすためには
→ 「好きで」で「楽しい」運動をする。
2. シナプスを増やすためには、
→ 繰り返し同じ刺激を受け続ける。
3. 神経伝達物質(ドーパミン・ノルアドレナリン等)を出すためには、
→ 深い感動を味わう・集中する・達成感を味わうなど。
4. 神経線維を増やすためには、
→ 音読・計算トレーニングをする。
これらの4つの方法は、脳科学の研究で明らかになっているものです。
小中高学生は、塾、クラブ活動などで忙しく、脳を活性化させる時間があまりありません。
貴重な「時間」を使うなら、学校の学習ができて、さらに、脳が活性化させれば一石二鳥となります。
参考文献:「頭が良くなる脳の使い方」 著:川島隆太 医学博士
「記憶力と高める50の方法」 著:大島清 医学博士
「記憶力を強くする」 著:池谷祐二 医学博士
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